明期ラット海馬スライスにおいてカルバコール誘導β振動は出にくくなる(一般,ニューロコンピューティングの実装とシステム化,一般)

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脳にはサーカディアンリズムがあり、そのリズムは神経活動に影響を及ぼしている。アセチルコリン作動薬であるカルバコールは海馬スライスにてβ振動を断続的に誘導する。本研究では、カルバコール誘導β振動が明期と暗期で異なる誘導のされ方を示すのかどうかを明らかにする。実際には、明期、暗期のラットから切り出した海馬スライスにカルバコールを投与しβ振動を誘導した。周波数、持続時間、振幅は、明期と暗期とで有意な差は無かった。一方、インターバーストインターバル(IBI)は、暗期と明期では、17.8±1.2秒と24.1±1.4秒で明期の方が長く有意な差があった。この差は、GABA_A阻害薬である、Gabazineによって消失した。しかし、Gabazineは、周波数など、他のパラメータには影響を及ぼさなかった。またアセチルコリン受容体には、ムスカリン性、ニコチン性の2種類があるが、暗期、明期に誘導されるβ振動に対するそれらの受容体の関与も調べた。その結果、ムスカリン性受容体は、両期で、その発生に関与し、ニコチン性受容体は、L期の周波数のみに関与する事が明らかになった。カルバコール誘導β振動は、CA3神経回路で生成しているので、以上の結果から、暗期に比べ明期の方がCA3神経回路内の抑制性神経の活動が高くなってカルバコール誘導β振動の明暗期での違いが生じたのではないか、と考えられる。
2010-10-16

明期ラット海馬スライスにおいてカルバコール誘導β振動は出にくくなる(一般,ニューロコンピューティングの実装とシステム化,一般)

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