3者間シナプスにおけるアストロサイトの一型IP_3受容体を介したCa^<2+>応答

概要

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近年、グリア細胞の脳内情報処理への関与が示唆されるようになった。グリア細胞の一つであるアストロサイト(AS)は、通常神経細胞同士のコミュニケーションに使用される神経伝達物質であるグルタミン酸(Glu)が結合可能な受容体を持つことから神経情報処理への関与が考えられる。本報告では、以前我々が提案した1型IP_3受容体(IP_3R1)Ca^<2+>チャネルを介したAS細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)振動モデルであるPLCδ modelを用い、神経発火を想定した3種のGlu刺激をASに入力し、入力に対するASの[Ca^<2+>]i応答を調べた。その結果、単一刺激・ペアーパルス刺激から[Ca^<2+>]iの興奮性に関する閾値、不応期といった神経発火類似の現象が見つかった。さらに、周期的な繰り返し刺激は概周期応答やカオス応答も引き起こした。これらの結果は、ASに対する様々な刺激パターンによって、ASのIP_3Rtype1とPLCδが関与するダイナミカルな[Ca^<2+>]i応答が誘導される事を示唆する。
2004-06-10