海馬CA3領野における神経振動子の性質

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概要

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γ波(40Hz振動)は、大脳皮質、海馬で観察されており、視覚や記憶情報処理において重要である。40Hz振動は、海馬スライスを使って、これまでカルバコール(アセチルコリン作動薬)投与や高頻度刺激によって誘導された。しかし、我々は、それらの刺激無しに自発的な40Hz振動を海馬スライスより観察した。実際には、スライスCA3領野から観測された自発的海馬神経振動(SHNO)は、主に15-20Hz、30-40Hz、50-55Hzの3つの周波数成分を持っていた。SHNOはCA3領野のみのスライスでも観測されたので、その発生神経回路はCA3内に局在すると考えられる。また、CA3内で非同期のSHNOが観察されたので、SHNO発生回路はCA3内に分散して存在すると示唆される。実際の生体海馬では、CA3内に分散したγ波の振動子群によって海馬内情報処理が行われていると考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-03-16

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