無線ネットワークを用いた児童見守りシステムにおける消費電力を考慮した移動端末制御通信方式の提案(低消費電力化)

概要

論文の詳細を見る
我々は,災害時に電力や有線ケーブルといった様々なインフラが被害を受けても,また構成する機器の一部に障害が発生しても稼働しつづける,高い耐障害性を有するAd-Hocネットワークシステムの研究を続けている.また,このネットワークを平時から利用し続ける有益なシステムとして,児童の安全,安心を確保する地域見守りシステムの開発も行なってきた.このシステムは,児童が端末を所有し,各地に設置した中継機が小電力無線により送信する端末からのパケットを受信する.現在の児童見守りシステムでは,子機の電池寿命を考慮して子機から送信を行う単方向通信になっており,子機の制御をサーバから行うことはできない.しかし,子機のLEDやブザーを制御して児童に連絡をすることや子機の通信条件を変更する等の制御のためにサーバから端末制御用のパケットを送信することは有益である.ただし,端末制御通信を実現する上でも,子機の電池寿命を考慮する必要がある.そこで本研究では,消費電力を考慮した端末制御通信の実現のために,ACKに端末制御用パケットを重畳させる方式と時刻同期による間欠通信方式をハイブリッドさせた手法を提案し,その有効性についての評価を行う.
2010-02-25