要求変更によるソースコードへのインパクトを分析するシステムの開発と評価(ソフトウェア開発支援,<特集>システム開発論文)

概要

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要求変更によって,既存のソフトウェアを改造し,新しいソフトウェアを開発する場合,設計書等を介して,変更しなければならないソースコード群へのインパクトを特定する必要がある.しかし,組込みソフトウェア開発等のソフトウェアが中心でない製品開発の場合,要求変更の提示が非形式であったり,設計書やソースコードが度重なる改造を経て,管理しがたい構造となっていたりする.また,設計書やソースコード間に明示的なトレーサビリティリンクが整備されていることもほとんどない.本論文では,上記のような既存ソフトウェアのインパクト分析を,技術者がレビュー作業を通して行う際,その作業の支援となる方法と支援システムを構築し評価した結果を示す.本手法は,要求レベルの概念を表す語と実装レベルの概念を表す語が実際に混在している設計書を仲介として,要求変更とソースコードのトレーサビリティをキーワードによる情報検索技術を用いて半自動的に確立する技術を利用している.支援システムを実際の組込みソフトウェアの成果物に適用することで,レビュー対象のソースコードをある程度正確に絞り込むことができることを確認した.
2010-10-01