肝・脾鈍的損傷のCTによる手術適応の判定
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概要
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肝・脾のような実質臓器の損傷に対するcomputed tomography (CT)の所見が手術所見とほぼ一致することは,最近の報告により明らかになっているが,CT所見は実質臓器の損傷を間接的にとらえているのであって,損傷による侵襲の程度を直接とらえている訳ではなく,CT所見から手術適応を判定できるかどうかについては十分な検討がなされていない.肝・脾鈍的損傷で造影CTを施行した自験例33例(肝損傷:21例,肝・脾合併損傷:2例,脾損傷:10例)について,CT所見から手術適応の判定が可能かどうかをretrospectiveに検討し,以下の結論を得た.1)CT所見から,損傷の存在は1損傷部位を除きすべて確認できた.2)CT所見と手術または腹腔鏡所見を比較できた12例では,損傷程度は両所見でほぼ一致していた.3)肝・脾損傷を,CT所見で日本外傷学会肝・脾損傷分類にしたがって分類すると,緊急手術を要した症例は,肝IIIb型,脾IIIb型以上の高度損傷例であるのに対し,肝IIIa型以下と脾IIIa型以下ではいずれも保存治療が可能であった.したがって,CT所見は,肝・脾鈍的損傷の手術適応の判定にきわめて有用と考えられた.
- 東京女子医科大学の論文
- 1997-10-25
著者
-
石川 雅健
東京女子医科大学 救急医学
-
鈴木 忠
東京女子医科大学 救急医学
-
村岡 隆介
福井医科大学第二外科
-
出口 善純
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
中川 隆雄
福井医科大学救急部
-
長谷川 保弘
福井医科大学第一外科
-
長谷川 保弘
福井医科大学付属病院救急部
-
横山 利光
東京女子医大外科
-
須賀 弘泰
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
須賀 弘泰
福井医科大学 救急部
-
出口 善純
福井医科大学 救急部
-
石川 雅健
東京女子医科大学救急医学
-
石川 雅健
東京女子医大第二外科
-
石川 雅健
東京医科大学
-
横山 利光
福井医科大学救急部
-
中川 隆雄
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
中川 隆雄
福井医科大学 救急部
-
村岡 隆介
福井医科大学第2外科
-
村岡 隆介
福井医科大学第一病理
-
中川 隆雄
東京女子医科大学東医療センター救命救急センター
-
横山 利光
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
村岡 隆介
福井医科大学救急部
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