上部消化管の潰瘍性出血に対するフィブリン接着剤局注による止血の実験的研究 : エタノールとの比較
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概要
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2000年以来,フィブリン接着剤(FG)の局注による内視鏡的止血を検討してきたが,クリッピング,エタノール(E)局注の実施し難い上部消化管の止血に対して満足しうる結果が得られた.これまで上部消化管の潰瘍性出血に対するFG局注による内視鏡的止血についてはかなりの報告がみられるが,多くは臨床例についての報告であり,その病理組織学的検討についての報告は殆ど見当たらない.ここではラットを用いて,実験的に上部消化管の潰瘍性出血を作製し,これに対するFG局注の効果と有効性について病理組織学的にE局注と比較しながら検討した.S-Dラットをエーテル麻酔下に開腹し,胃切開の後,胃幽門前庭部に機械的に出血性潰瘍を作製した.FGあるいはEを潰瘍部に局注した後,外科創を縫合した.その1,3,あるいは5日後に胃を摘出し病理組織学的に検討した.E群ではcontrol群(生理食塩水局注)と比較して止血効果を確認したが,組織傷害は増強し,炎症細胞の浸潤が局注後数日間増加する像がみられた.FG群の止血効果はE群とほぼ同等であったが,組織傷害は限られた徴候がみられたのみで,E群よりも軽度であった.E群では胃壁の穿孔例がみられたが,FG群およびcontrol群では穿孔例はなかった.E群と比較してFG群は組織刺激性ないし傷害が少なく,潰瘍を増悪することもなく,組織に長時間停留して作用が持続的であった.以上よりFG局注は有効な止血法であり,上記利点をもつ内視鏡的止血法として加えうるものと考える.
- 東京女子医科大学の論文
- 2003-12-25
著者
-
須賀 弘泰
東京女子医科大学第二病院 救急医療科
-
中川 隆雄
東京女子医科大学第二病院 救急医療科
-
曽我 幸弘
東京女子医科大学第二病院 救急医療科
-
出口 善純
東京女子医科大学第二病院 救急医療科
-
鈴木 忠
東京女子医科大学 救急医学
-
今村 好章
福井医科大学 第一病理
-
福田 優
福井医科大学 第一病理
-
阿部 勝
東京女子医科大学附属第二病院救急医療科
-
高橋 春樹
東京女子医科大学附属第二病院 救命救急センター
-
福田 優
福井大学医学部病理学
-
出口 善純
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
高橋 春樹
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
高橋 春樹
東京女子医科大学東医療センター 救命救急センター
-
高橋 春樹
東京女子医科大学
-
今村 好章
福井大学医学部附属病院病理部
-
今村 好章
福井大学医学部附属病院病理
-
今村 好章
福井医科大学第1病理
-
今村 好章
福井医大 第一病理学
-
曽我 幸弘
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
曽我 幸弘
東京女子医科大学
-
福田 優
福井医科大学 救急部
-
福田 優
福井医科大学 第1病理
-
須賀 弘泰
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
須賀 弘泰
東京女子医科大学東医療センター 救命救急センター
-
須賀 弘泰
福井医科大学 救急部
-
須賀 弘泰
東京女子医大第二外科
-
出口 善純
福井医科大学 救急部
-
出口 善純
東京女子医科大学
-
鈴木 忠
東京女子医科大学医学部消化器外科学
-
阿部 勝
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
阿部 勝
東京女子医科大学東医療センター 救命救急センター
-
中川 隆雄
東京女子医科大学東医療センター救急医療科
-
中川 隆雄
東京女子医科大学 救急医学
-
中川 隆夫
福井医科大学救急部
-
今村 好彰
福井医科大学第一病理
-
阿部 勝
東京女子医科大学 救急医学
-
福田 優
福井医科大学第1病理
-
今村 好章
福井医科大学第一病理学教室
-
曽我 幸弘
東京女子医科大学附属第二病院救命救急センター
-
鈴木 忠
東京女子医科大学医学部救急医学
-
中川 隆雄
東京女子医科大学東医療センター救命救急センター
-
須賀 弘泰
東京女子医科大学東医療センター救命救急センター
-
出口 善純
東京女子医科大学東医療センター救命救急センター
-
福田 優
福井医科大学第一病理学
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