大腿骨骨折を経験した高齢者と家族の関わりを中心とした退院指導についての考察
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概要
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大腿骨頸部骨折を経験した高齢者の退院3〜6ヶ月後のADLの推移と生活環境,および家族の意識について19名の骨折高齢者と14名の同居家族に面接調査を実施した.その結果,以下のことが明らかになった.(1)ADLに関する3つの尺度は受傷前に比べ,退院3〜6ヶ月後のスコアが低下する傾向が認められた.(2)家族からの骨折高齢者の生活上の行動制限の有無が,身体活動能力そのものではなく,むしろ社会的生活機能や日常生活の行動範囲など,骨折高齢者の生活の質の低下や広がりの抑制に関連していることが示された.(3)家族の骨折高齢者への助言あるいは制限は,必ずしも骨折高齢者の能力や危険の程度に見合ったものではなかった.(4)家族,骨折高齢者の多くが,実際に看護婦による退院指導を受けているにもかかわらず,退院指導を受けたと自覚していなかった.以上の結果から,(1)患者の能力に見合った生活動作,生活範囲の維持に関する具体的な指導,(2)家族の不安を軽減するための具体的指導が必要であると考える.
- 1998-11-15
著者
-
太田 勝正
長野県看護大学看護学部
-
小西 恵美子
長野県看護大学
-
太田 勝正
神戸市看護大学
-
太田 勝正
名古屋大学医学部保健学科
-
征矢野 あや子
長野県看護大学
-
麻原 きよみ
長野県看護大学看護学部
-
小西 恵美子
佐久大
-
麻原 きよみ
聖路加看護大学看護学部看護学科
-
征矢野 あや子
東京大学大学院医学系研究科
-
太田 勝正
長野県看護大学基礎看護学教室
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