死ぬ権利と死ぬ義務 : 日本、欧米の医療者・生命倫理学者の意識
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「死ぬ権利」とは、終末期の患者が、さらなる治療を拒否して死を早めることを自らの意思で決定できる権利をさす。「死ぬ義務」とは、終末期の患者や老人は、家族の負担や医療コスト等の社会的要因から、延命のための治療は拒否して死を早める義務があると感じることである。日本、欧米の生命倫理に関心をもつ看護婦、医師および生命倫理学者それぞれ121名、64名を対象に、この二つの概念に対する意識を調査した。結果、死ぬ権利は欧米は全員、日本も大多数が支持した。死ぬ義務については、欧米の支持率は高かったが、日本は支持しない人のほうが多かった。自由記述からしばしば出現したテーマは、「自己決定」、「命の意味」、「公正」、「患者と家族との愛」である。それらの意味の両群の相違点と類似点を探索し、終末医療の問題をかかえる日本と欧米が相互に学ぶ必要を示唆した。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2000-09-13
著者
関連論文
- 娘の認識と行動が同居している前期高齢者の健康観に及ぼす影響
- 高齢者のヘルスプロモーション : 前期高齢高者の健康習慣と長寿に対する信念
- 病院と地域の患者情報共有における倫理的問題とその解決策についての考察
- ターミナル患者への情報提供 : 看護婦の倫理的態度の国際比較
- 長野県女性の骨粗しょう症予防とヘルスプロモーションに関する研究 : 1.健康状況とライフスタイル
- 特別寄稿 「苦痛を和らげること」と「死を早めないこと」:ホスピス看護の倫理的ジレンマ
- 特別寄稿 論文査読の倫理:査読者,著者,編集者の権利と義務
- 医療のための放射線防護
- 会長講演 看護の心としての倫理:実践・教育・研究の協働 (日本看護倫理学会第2回年次大会)
- 明治から現代までの教科書に記述された「よい看護師」の変遷
- 看護倫理の基本を考える--看護における倫理、意思決定の枠組み、看護師の倫理的能力[含 英語文]
- 喜び・苦悩・学び--若手看護師のよい・よくない看護師体験から
- 臨床看護師が認識する「よい看護師」の記述--若手看護師の視点
- 看護における徳の倫理の意義
- 「和」と日本の看護倫理
- 長野県看護大学の国際協力活動
- 成人看護2シンポジウム 佐賀 看護実践の中での看護倫理を考える (第35回日本看護学会 特別講演・シンポジウム集録号)
- 第2特集 患者さん・ナースの不安を解決するために 放射線治療で知りたい看護のポイントQ&A
- 家族が捉えた死の迎え方の倫理的意思決定の過程とその要因の探索
- 医療者・生命倫理学者がみる末期ケアの倫理問題
- 放射線治療における看護:国内外の文献検討 (特集 放射線看護:今とこれから) -- (臨床看護領域の放射線看護)
- 放射線治療患者の治療体験と願い:パイロットスタディ (特集 放射線看護:今とこれから) -- (臨床看護領域の放射線看護)
- INR SELECTION 死ぬ権利と死ぬ義務:日本,欧米の看護婦の意識
- ターミナル患者への情報開示の枠組み : 社会、家族、患者に関る意思決定
- ターミナルケアにおける倫理的問題に対する日本の看護婦の意識
- 在宅酸素療法患者の「おいしい食事」の実態とそれに関連する因子の分析
- 大腿骨頚部骨折を経験した高齢者の退院後のADLを予測する試み
- 臨床検査データの看護業務への活用度に関する研究
- 死ぬ権利と死ぬ義務 : 日本、欧米の医療者・生命倫理学者の意識
- 日本の看護にかかわる倫理問題
- 大腿骨骨折を経験した高齢者と家族の関わりを中心とした退院指導についての考察
- 在宅酸素療法患者の食事の意味に関する質的分析
- 特別記事 判断の難しい状況における看護師の行動を決める背景--「Moral certainty」の概念による分析
- 緊急被爆医療における2つの価値と看護の視点
- 放射線治療における看護:海外の取り組み (特集 放射線看護:今とこれから) -- (臨床看護領域の放射線看護)
- 2つの価値:原子力事故患者の搬送に思うこと
- 終末期の情報開示に対する看護婦の意識 : 問題解決の手がかりを求めて
- 放射線診療の看護 基礎編 (焦点 放射線にみる新しい医療 看護の役割と放射線防護)
- 科学性と人間性をあわせもつ看護の技術とは (特集 保健の技術を問う)
- 危険性と看護ケア提供の責任ということについて--アメリカ看護婦協会の所信声明から
- 田んぼのある暮らし
- 改訂道徳的感受性質問紙日本語版(J-MSQ)の開発と検証(第1報)