高速軽量なXQuery問い合わせプログラム生成系の設計と試作
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概要
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高速かつ軽量な問い合わせプログラムを生成するXQuery問い合わせプログラム生成系を設計・試作した.従来のXQuery処理系は,XML文書を内部形式として木構造で表現し,XML文書木と問い合わせ式を解釈するインタプリタ方式で処理をしている.一度作成した処理系を異なる問い合わせに対して利用できるが,XML文書サイズが大きくなるとXML文書木の構築に処理時間とメモリが必要になる.我々は既に,遅延パーサを用いて,実際には参照されないXML文書木の構築を省略して処理時間とメモリを削減する方法を提案した.遅延パーサはノード作成に必要な親子やテキストなどを内部情報として保存している.どのような問い合わせにも対応するために,XML文書全体の内部情報を保存しており,メモリが十分に削減できたとは言えない.本研究では,これらの問題を解決するために問い合わせ処理をコンパイラ型で処理をするXQuery処理系を試作した.問い合わせ毎に専用の処理プログラムを生成し,XML文書に対して処理を行う.プログラム生成とコンパイルの手間が増えるが,あらかじめ問い合わせがわかっているので,問い合わせに必要なXML文書の情報のみを保存することができ,処理時間やメモリを削減できる.XML文書中の異なる箇所からのデータの突き合わせを行う結合処理はXML文書木に対して処理を行う必要があり,コンパイル型の処理だけでは十分な高速化を行えない.本研究では結合処理を同値比較と大小比較に分類し,同値比較にはハッシュ法,大小比較には二分探索法を用いて高速化する方法を提案する.提案手法に基づいて問い合わせプログラムを試作し,実験をおこなった.最良の場合,既存のXQuery処理系SAXONと比べて,結合処理では約150倍高速で1/5のメモリ使用量,それ以外の処理では約8倍高速で,1/7のメモリ使用量で処理が行えることを確認した.
- 2009-02-26
著者
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蜂巣 吉成
南山大学数理情報学部
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野呂 昌満
南山大学数理情報学部
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蜂巣 吉成
南山大学情報理工学部ソフトウェア工学科
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沢田 篤史
南山大学情報理工学部ソフトウェア工学科
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沢田 篤史
南山大学数理情報学部
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沢田 篤史
京都大学
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沢田 篤史
南山大学情報理工学部
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蜂巣 吉成
南山大学情報理工学部
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野呂 昌満
南山大学情報理工学部
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野呂 昌満
南山大学情報理工部
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