秩父堆積盆地の発生過程の研究 : 盆地北〜北東縁における解析

概要

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関東山地北東部の中新統の秩父堆積盆地について,堆積盆地の発生過程を明らかにする目的で、盆地北〜北東縁の中新統の調査を行った。その結果、秩父堆積盆地北〜北東縁部の中新統の層序は北西〜西縁地域とほぼ同じであり,下位より牛首層・富田層・子ノ神層・宮戸層に区分でき,富田層と子ノ神層の関係は一部不整合である.この不整合の形成年代は前期中新世と中期中新世の境界にあたっており,16Ma付近である.また,中新統と基盤との関係の観察やアイソパックマップの作成などによって,北〜北東縁の堆積盆地の発生については,基盤の構造運動による陥没で発生したと考えられる.その際,小さな陥没がいくつか発生し,それらが結合してより大きな沈降域を生じさせ,白沙砂岩部層〜富田層堆積時にかけては,全般的な沈降がすすみつつ,地域的な沈降の量の差を小さくしながら,沈降中心が南ないしは南東方向へと移動していったと思われる.こうした沈降域の移動様式は,秩父堆積盆地にみられる将棋倒し構造の盆地北縁での現われとみることができる.
2009-05-25