57. すれ違いや追い越しを考慮に入れたDEMによる人間行動シミュレーション

概要

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日常不特定多数の人々が利用する地下街やビル、デパートなどの地下階などでひとたぴ災害が発生すれば、そこに居合わせた人々は極めて危険な状況下に置かれる。そのため、このような場合の群集の避難行動やその状況をできるだけ正確に知り、その危険性を評価しそれをふまえた上で防災計画を立てる必要がある。その際、実験に代わる手段としてコンピュータを用いた避難行動シミュレーションが有効である。災害時の避難行動を取り扱った研究は、流体モデル、磁場モデル、伸縮ブロックモデル、ポテンシャルモデル等数多くある。筆者らもDEMを用いた群集行動シミュレーションモデルを提案している。しかしながらこのDEMモデルは、部屋など空間から最短出口に向かったり階段を使用する場合の避難行動を再現しただけのものであり、避難者同士が対向する場合や前方に障害物が存在する場合など周囲の状況や対象空間が複雑になると、個体同士が衝突するまで前進する等のあまり現実的でない現象を生じてしまうという欠点があった。そこで本研究では、従来のDEMモデルでは再現できなかった障害物をなめらかに回避したり、他の人間とすれ違ったり、前方の人間を追い越したりする基本的な人間行動を再現するために回避領域と視野領域の概念を導入したモデルを開発し、いくつかのケーススタディを行うことによってその妥当性を検討した。
地域安全学会の論文

57. すれ違いや追い越しを考慮に入れたDEMによる人間行動シミュレーション

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