16. 地震防災学習ソフトウェアの開発の試み
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概要
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わが国は世界でも有数の地震多発国であり、時には多数の死者と構造物の甚大な被害を出すことがある。1983年の日本海中部地震では海岸へ遠足に来ていた学童が、地震に関する知識不足から地震により発生した津波にのまれ、多くの尊い命か奪われた。このようにわずかな知織の有無が人の生死を決定することがある。このことからも近年、防災教育の必要性が叫ばれるようになったが、これに応えられる教育教材の充実は未だ十分に図られていないのが現状である。そこで、本研究はパソコンを用いることにより、双方向性を持つ視聴覚教材を開発し、これを多くの小・中学校の教師や児童・生徒に利用してもらい、更に児童・生徒を通じて家庭にも防災意織の高揚を促すことを試みたものである。ここで開発した地震防災学習ソフトウェアは地球物理・工学的側面からの地震現象に関する知織と地震に実際に遭遇した時の対応という、理論的な面と実際的な面の両方を有機的に結び付けて学習出来るようなプログラムとなっている。ソフトの構成は先の知織を地球物理・地震学、地震・耐震工学、行政・情報、心理・避難、周辺学、災害例といった各種、性格の異なった6つの分野とそれらを有機的に結合させるメニューからなる。各分野はカードと呼ばれる静止画、数十枚から構成されており、ユーザーは簡単なマウス操作により学習したい分野を選択し、1枚ずつカードをめくりながら学習することが出来る。このソフトウェアによって期待される効果としては、簡便なコンピュータ操作によって地震防災学習に関する知識をグラフィックスと音声により、楽しくかつ体系づけて身につけることが出来る。今後はユーザーの知織レベルに応じて使用出来るカリキュラムの導入や多くのコンピュータ機種とも対応可能なものにバージョンアップしていく必要がある。
著者
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三浦 房紀
山口大学工学部知能情報システム工学科
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瀧本 浩一
山口大学工学部知能情報システム工学科
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岡崎 博
山口大学工学部防災工学研究室
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石川 達郎
山口大学工学部防災工学研究室
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下川 利一
山口大学工学部防災工学研究室
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金子 豊
山口大学工学部防災工学研究室
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岡崎 伸行
山口大学工学部防災工学研究室
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三浦 房紀
山口大学工学部
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