南硫黄島における垂直分布にそった雲霧の形成と植生パターン(<特集>南硫黄2007)
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概要
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南硫黄島における垂直分布に沿った温度・湿度と上壌環境といった環境要因、群落組成と構造の変化および相互の対応関係を解析した。調査期間中(2007年6月19日〜25日)の気温の平均値から逓減率を求めたところ標高500m以上の3つの地点で湿潤断熱減率(0.47℃/100m)を示した。また、5%ごとの湿度の測定値頻度を求め、標高別にみてみると、標高500m以上の3つの地点で95%〜100%の頻度が最も高かった。ただし、山頂部は強風の影響で雲霧の発生が不安定であると考えられ747mと比較して湿度の変動係数が大きかった。12cm (45.8%)、20cm (40.8%)における表層土壌の土壌水分は山頂部で最も高かった。こうした環境に対応して木本層(胸高1.3m以上)、草本層(胸高1.3m未満)、着生層の群落組成と構造を解析した。クラスター分析によって木本層の群落はP1(911m)〜P3(521m)、P4(375m)、P5(59m)という3つのグループに区分され、雲霧林が一つのグループとして区分できた。ただし、P1、P2ではコブガシ、エダウチヘゴが共優占していたが、P3はコブガシだけが優占していた。これは雲霧林内では常緑広葉樹の成長が抑制されためシダ植物が林冠構成種として共存しているのかもしれない。また、着生層の種数は標高が減少するとともに急激に減少した。群落構造は山頂部で最大直径が大きく、最大樹高は減少しており、強風などの影響が考えられた。着生層種数/総種数(0.56〜0.40)、着生層種数/草本層種数(0.88〜0.55)から500m以上の雲霧林では、各着生層種数比が高かった。したがって、林床が暗く、空中湿度高い雲霧林では草本層より着生層の発達が著しいと考えられた。
著者
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加藤 英寿
首都大
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加藤 英寿
首都大学東京牧野標本館
-
藤田 卓
九州大学大学院理学研究科
-
朱宮 丈晴
財団法人自然保護協会
-
藤田 卓
九州大学大学院理学研究科:(現)財団法人日本自然保護協会
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藤田 卓
九州大学理学部生物学科:(現)財団法人日本自然保護協会
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加藤 英寿
首都大学東京理工学研究科
-
高山 浩司
千葉大学大学院理学研究科
-
高山 浩二
千葉大学大学院理学研究科
-
藤田 卓
九州大学
-
朱宮 丈晴
財団法人日本自然保護協会
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