南硫黄島の維管束植物相(<特集>南硫黄2007)
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概要
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2007年6月の南硫黄島調査において採集された約700点の維管束植物標本を固定した結果、現時点までに96種(未同定種も含む)が確認された。南硫黄島において初めて確認された植物は、ミズスギ、オオハナワラビ属の1種、コケシノブ科の1種、ホングウシダ、ナチシケシダ、シンクリノイガ、イネ科の1種、テンツキ属の1種、コクランの9種であった。過去に発表された植物リスト(大場、1983)と、今回の調査によって確認された種を合わせると、本島には、シダ植物44種、双子葉植物59種、単子葉植物26種、合計129種が記録された。これらの中には18種の絶滅危惧種(準絶滅危惧も含む)とともに数種の外来植物も含まれ、特に25年前には全く確認されなかったシンクリノイガが島内に広く生育していることが確認された。これらの外来植物は鳥や風・海流などを介して運ばれた可能性が高いことから、今後も周辺の島から新たな植物が侵入することが懸念される。
著者
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加藤 英寿
首都大
-
加藤 英寿
首都大学東京牧野標本館
-
藤田 卓
九州大学大学院理学研究科
-
朱宮 丈晴
財団法人自然保護協会
-
藤田 卓
九州大学大学院理学研究科:(現)財団法人日本自然保護協会
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藤田 卓
九州大学理学部生物学科:(現)財団法人日本自然保護協会
-
加藤 英寿
首都大学東京理工学研究科
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高山 浩司
千葉大学大学院理学研究科
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藤田 卓
九州大学
-
朱宮 丈晴
財団法人日本自然保護協会
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