沖縄県西表島から採集されたクサイロアオガイの南限新記録
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概要
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著者の一人佐々木が2004年に西表島の貝類を調査した際に,クサイロアオガイと思われるアオガイ属の1種を採集した。アオガイ類は日本列島の温帯域に多産する分類群であるが,琉球列島では稀である。この興味深い標本を形態およびミドコンドリアDNA(12S,16S,COI)の両者から検討した結果,西表産の標本はクサイロアオガイに確実に同定されることが確認された。この産地は従来知られていたクサイロアオガイの南限(慶良間列島渡嘉敷島)から約370kmも離れて孤立しており,分布の最南端記録である。本種がどのような経路を経て西表島に到達したかという点は大変興味深い問題であるが,今後の検討課題である。
- 2007-07-31
著者
-
中野 智之
National Museum of Nature and Science
-
佐々木 猛智
The University Museum, The University of Tokyo
-
中野 智之
国立科学博物館
-
佐々木 猛智
The University Museum The University Of Tokyo
-
中野 智之
Department of Earth and Planetary Sciences, Nagoya University
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