ミャンマー連邦農村の母子保健向上をめざす人材育成プログラムのプロセス評価 : 第II期-2005〜2006-
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概要
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背景:2003年9月よりミャンマー連邦中部乾燥地帯の2つの農村において,地域母子保健向上に寄与する人材育成を目的として,要件を満たした女性保健・ボランティア・グループ(WVG: Women's health Volunteer Group以下WVGとする)が試験的に育成されている。この人材育成プログラムは2003年9月から2008年3月までを第I期(創設期),第II期(維持・継続期),第III期(自立期)に分類し,4年半でWVGが自立した活動ができることをめざしている。目的:2005年9月から2006年2月までのWVGが外部者からの支援を受けながら活動を維持・継続する第II期のWVGの活動を把握し,今後の活動支援の内容を明確にする。方法:WVGが居住する各村の栄養給食センターで,同意が得られたWVG成員に対し各村2回ずつのフォーカス・グループ・インタビューが行われた。インタビュー内容はその場で聞き書きし,「プログラム第II期におけるWVGの活動」についての各語りの内容を村毎に集積後,分析した。結果:参加者は,A村では1回目・2回目ともに出席者6名,B村は1回目10名,2回目11名の出席であった。インタビューを通して,WVGの活動はFirst Aidと家族計画回転資金プログラムの運営を中心に継続されていることが明らかになった。WVGの活動は徐々に村に浸透し,村の権威者の理解により支えられていた。活動を強化する要因としては,知的好奇心を満たす喜びや住民からの感謝を通したエンパワーメントが考えられた。弱体化する要因として,自信のなさやグループ内で同意を得ていく過程の欠如が考えられた。今後は,活動の自立発展をめざす第III期に向けて,各WVGの発展段階を踏まえた支援が必要と考えられた。
- 聖路加看護大学の論文
著者
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堀内 成子
聖路加看護大学
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江藤 宏美
聖路加看護大学
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大隅 香
聖路加看護大学
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土屋 円香
済生会横浜市東部病院患者サービスセクション
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小黒 道子
日本学術振興会
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土屋 円香
元聖路加看護大学母性看護・助産学
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小黒 道子
日本学術振興会:聖路加看護大学大学院博士後期課程
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小黒 道子
聖路加看護大学大学院博士後期課程:日本学術振興会
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