聴覚障害児のピッチ感覚 : 聴能訓練による向上の可能性
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概要
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声のピッチの周波数範囲での純音の周波数弁別域(DLF)を、7人のろう学校中学部の生徒について極限法で測定した。聴覚障害児のDLFは、始めの測定では、正常児に比べて著しく大きかったが、ピッチの知覚の訓練をした後では、DLFはかなり減少した。そこで、視覚表示を含む種々の訓練方法の有効性や、向上の経過の個人差も、他の6人の生徒について検討した。その結果、聴力損失の程度や型や聴能訓練の経験の差にかかわらず、少なくとも低い周波数範囲にある程度の残存聴能があれば、DLFは正常児と同じ値に達し得ることが示された。複合音の基本周波数の上昇や下降の弁別能力についても、小学校低学年の聴覚障害児2人で測定したところ、純音の定常的な周波数の弁別の場合と同様な結果が得られた。そして聴覚障害児のピッチの知覚の能力の向上が、音声の聴取や発話における声のピッチの活用に反映されることも確かめた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1981-03-30
著者
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