北海道東部の牧草地から採取したギシギシ属植物の形態の特徴

概要

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1)北海道東部の牧草地内とその周辺に侵入しているギシギシ亜属植物を明らかにするために,この実験を行った。1980年と1981年の5月上旬-6月下旬に個体を採取し、本学の圃場に80cm間隔で移植した。1982年6月下旬に最大の根生葉を採取し,8月上旬に種子を含む内花被片を採取し,それぞれの形態の特徴を調査した。2)調査した163個体のうち,根生葉と内花被片の形態から,エゾノギシギシ(R. obtusifolius L.),ナガバギシギシ(R. crispus L.),ノダイオウ(R. longifolius DC.)と判別されたものはそれぞれ45,42,22個体であり,エゾノギシギシとナガバギシギシ,エゾノギシギシとノダイオウの雑種と判別されたものはそれぞれ24,30個体であった。3)根生葉の形態では,基部の角度に種の特徴があり,エゾノギシギシでは,253度,ナガバギシギシでは73度,ノダイオウでは159度であった。次いで,葉身の長さと最大の幅との比率が識別に有効であり,それぞれ2.2,4.9,2.5であった。4)これら3種のうちの2種間で形成された種間雑種の内花被片には,母種よりも小さく不明確ではあったが,瘤状突起または鋸歯がかなず認められた。
帯広畜産大学の論文
1987-11-30