アレルギー歴の呼吸器障害有症程度に及ぼす影響 : BMRC質問調査結果のまとめ方に関する研究(第3報)

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臨海重・化学工業地区を有するC市の30歳から69歳の住民について昭和46年に,重工業業地区のない地方都市のH医科大学の20歳代の学生について昭和51年に,それぞれ千葉大式BMRC質問票を用い,呼吸器障害有症程度について調査し,喫煙を一要因として解析した前報と同じ材料をアレルギー素因の有無で同様に断面的分析を試みた。C市住民において,アレルギー有素因群では集団構成群内の性差分布の差異を超えて,アレルギー歴,すなわち,表現型としてのアレルギー素因が,呼吸器障害有症程度に対する影響を大きく表現することが明らかにされた。H医科大学学生において,アレルギー歴は,C市住民におけると同様に有訴程度に大きく影響を及ぼすことがわかったが,参考にとどめた。C市住民のうち女性の有素因群を環境別に見ると,工場地区≒埋立地寄り住宅地区≒農村地区>市街地区の順で有症程度の差が見られた。同じく女性の無素因群では,埋立地寄り住宅地区を除いては,その他の地区間に差がなく,前者は同地区内の有素因群のそれとほぼ一致する有症状態を示し,これまでの考え方で説明することができない現象であった。前記の地区は高台上に位置し,海岸の産業道路に隣接していたが,その道路上の移動発生源からの窒素酸化物等の関与の有無については,現状ではデーターがなく,論議しなかった。表現型としてのアレルギー素因の有無と関連しない有症状態に対し,幼若期のミルク感作による体質変更モルモットでの海底堆積物由来有機物質による非特異的呼吸器障害の発生実験に基づいて推論したが,隣接地区との間に見られる著しい違いとそれらの距離的隔りとの矛盾について合理的説明を得られず事実の報告にとどめた。
千葉大学の論文

アレルギー歴の呼吸器障害有症程度に及ぼす影響 : BMRC質問調査結果のまとめ方に関する研究(第3報)

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