家畜尿汚水の浄化における土壌および植物の機能

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土壌浸潤方式による家畜尿汚水の浄化における土壌および植物の浄化作用を明らかにする目的で,土壌浸透蒸散方式の家畜尿汚水処理施設をモデルとして,1/2000aのポットを用いて試験を行なった。植物にはヒエを用い,その対照として裸地区,尿汚水の対照として水道水区をそれぞれ設け,尿汚水植物区,尿汚水裸地区,水道水植物区,水道水裸地区の4区から成る試験区を構成した。尿汚水または水道水は毎日,ポットの上部に設けた注水口より250mlずっ注入した。なお,全ポットに雨量相当量として,週2回,500mlずっの水道水を施した。そして,ポットの下部から浸透する排水量を測定し,それを水質分析に供した。ヒエは7月と8月に収穫し,窒素,リンにっいて分析した。試験期間は5月30日から75日間であった。裸地区および植物区の排水の減少率は,それぞれ,24.7-30.1%および52.4-64.7%で,植物区の方が多かった。尿汚水植物区の総排水量は,注水総量の約1/3に減少し,汚水処理における植物の効果の一つと認められた。COD, SS, BOD, T-NおよびT-Pの除去率は,植物区は79-97%,裸地区は25-79%で,土壌と植物の作用により尿汚水中の汚濁物質の79%以上が除去された。植物区と裸地区の除去率の差より,COD, SSおよびT-Nについては土壌の除去効果が,BODについては植物の除去効果がそれぞれ高いものと考えられた。なお,電気伝導度および塩素については処理前の77%以上の値で,汚水浄化に大きな効果がみられなかった。
1992-01-31

家畜尿汚水の浄化における土壌および植物の機能

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