アルファルファ(Medicago sativa L.)の育種における収量に関する特定組合せ能力の重要性
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概要
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アルファルファの収量に関する組合せ能力を調べるために,栄養系間の総当たり交雑による後代検定試験を行った。親栄養系には,導入品種または北海道内の古い草地からの収集株を農業形質について改良した栄養系26系統を用いた。生草収量に関して,標準品種'Thor'を20%以上うわ回る後代が,全体の11.1%あり,多収の後代が高頻度に得られた。23栄養系からの後代は,'Thor'を15%以上うわ回る後代を含んでおり,ほとんどの親栄養系が,特定の親栄養系と組合わせることにより,多収な一代雑種の母本になり得ることが示された。分散分析の結果,一般組合せ能力(GCA)および特定組合せ能力(SCA)の効果は,ともに0.1%水準で有意であり,後代の収量に寄与するSCAの成分は,GCAのそれよりもわずかに大きいことが示された。収量とGCAおよびSCAの効果の関係は,ともに0.1%水準で有意な正の相関関係にあり,かつGCAに比べSCAの関係が深く,SCAについての選抜が有効であることが示された。以上の結果から,多収品種育成のためには,SCAの評価を加味した選抜が重要と考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1989-03-31
著者
-
我有 満
北海道農業研究センター
-
澤井 晃
九州沖縄農業研究センター
-
松浦 正宏
北海道農業試験場
-
植田 精一
北海道農業試験場草地開発第二部
-
我有 満
Hokkaido National Agricultural Experiment Station
-
澤井 晃
北海道農業試験場
-
松浦 正宏
北海道農業試験場:(現)広島県立農業試験場
-
植田 精一
日本飼料作物種子協会
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