Lolium属牧草の生理生態的特性に関する研究 : 第1報冠銹病抵抗性の品種・系統間差異および収量との関係
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概要
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Lolium属牧草の主要病害である冠銹病に対する抵抗性の品種・系統間差異,および収量との関係を明らかにするために,諸外国より収集した品種・系統について,1965〜66年にかけて,ペレニアルライグラスを主体に検討し,次のような結果を得た。1.冠銹病抵抗性の品種・系統間差異は,いずれの時期においても顕著に認められた。このため夏期および秋期における被害指数の程度により,抵抗性の強い品種・系統,罹病性の品種・系統を分類した(表2,3)。これらの品種・系統における冠銹病抵抗性は,発生の時期,栽培様式,年次を異にしても高い相関々係が認められる。2.品種・系統の抵抗性と育成国との関係について検討した結果,オランダ産品種・系統には抵抗性の強いものが多く,とくに4倍体系統は抵抗性が強い。これに反して,カナダ,米国,スエーデン,国内自生種,市販品種などの抵抗性は中以下であり,とくにカナダ産品種は罹病性であった。またアイルランド,ニュージーランド,オーストラリア産品種・系統には両者が混在している。3.冠銹病の発生は収量に著しく影響し,各品種・系統の被害指数と収量の間には高い正の相関々係が認められ,とくに秋期における冠銹病発生以後の収量との相関が高く,抵抗性品種は多収性品種であることが確認された。
- 日本草地学会の論文
- 1968-10-20
著者
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