飼料用トウモロコシの栽培環境と生産性 : III.高密度栽培によるトウモロコシの生産力向上
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概要
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トウモロコシ2品種,Caldera 535(早生)およびPioneer 3715(晩生),を異なる密度条件(2,850個体/10aから19.950個体/10aまでの13段階)下で栽培し,収量および収量構成形質と密度との関係について検討した。(1)1個体あたりの地上部重量は,両品種とも高密度化にともない指数曲線的な傾向で減少し,15,000個体/10a以上の高密度条件下では,ほぼ一定値となった。1個体あたりの雌穂重量の減少傾向は,地上部の場合よりも顕著であった。(2)一定面積あたりの地上部重量は,高密度化にともない増加傾向を示した。一定面積あたりの雌穂重量も高密度化にともない若干増加する傾向を示した。雌穂比(雌穂重/全地上部重)は,高密度化にともない減少した。(3)葉面積指数は,高密度化にともない直線的に増加した。北海道における慣行栽培基準(6,000個体/10a)の最大葉面積指数(止葉出現後の葉面積指数)は,Caldera 535では,LAI≒3.0,Pioneer 3715では,LAI≒4.5であった。一方,群落の吸光係数(K)は,Caldera 535では,K=0.55,Pioneer 3715では,K=0.45であった。6,000個体/10aの場合では,両品種の光利用率は,それぞれ80%,87%であり,未利用の光エネルギーの割合が大きかった。(4)現在,北海道で用いられている栽植密度基準(6,000個体/10a)は,LAI,光利用率の2点からみて,低く過ぎるものと判断された。少なくとも北海道西南部では,10,000個体/10aを上限に栽植密度を高めることが収量(サイレージ用)増加に結びつくものと考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1981-07-30
著者
-
窪田 文武
北海道農業試験場草地開発第二部
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窪田 文武
北海道農業試験場
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植田 精一
北海道農業試験場草地開発第二部
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植田 精一
日本飼料作物種子協会
-
窪田 文武
北海道農業試験場:(現)佐賀大学農学部
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