通信の揺らぎを考慮したオーバーレイ開発支援環境(OS-6 : オーバレイ)
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概要
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大規模な分散システムではサービスの可用性や耐故障性を高めるために,オーバーレイネットワークという技術を利用している.オーバーレイネットワークとは分散アプリケーションによって構築される仮想的なネットワークである.オーバーレイネットワークが検索やマルチキャストといった機能を提供することで,効率的なサービスの運用が可能になる.このようなオーバーレイネットワークを開発・評価するための環境が開発者には必要となるが,実際に大規模なネットワークを用意し,実験を行うのはコスト面などを考慮すると困難である.本論文ではオーバーレイネットワークに特化した開発支援環境としてNetCampを提案する.NetCampでは物理ネットワーク上で発生する輻輳やパケットロスの影響をエンドホスト間の通信遅延に集約し,スケーラビリティを確保する.また,通信遅延を擬似的に再現する機構をモジュール化することで,開発環境の使用者が通信遅延の揺らぎを自由に設定できる.NetCampの有用性を確認するため,分散システム上のノード間のRound-Trip-Timeを予測する技術であるNetwork Coordinate SystemをNetCamp上に実装し,評価を行った.実験の結果,Network Coordinate Systemの特徴をNetCampによって評価することができた.また,その際約1,000台のノードの挙動を高い精度を保ちながら再現することができた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2007-08-03
著者
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