日本の図書館間相互貸借/ドキュメント・デリバリー: 1994年から世紀をまいで2005年までのNACSIS-ILL 基本調査結果
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概要
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本論文は,NACSIS-ILL と名付けられた図書館間相互貸借(ILL) リクエストメッセージ送付システムによって1990 年代半ばから実現されてきた大学間の図書館協力サービスに関する基本的事実を記述するものである。この研究は,NACSIS-ILL によって記録された1994 年から2005 年までのデータに基づいている。本研究の主要な調査結果として,以下の諸点を挙げることができる。すなわち,1) 日本の大学におけるILL においては「外国雑誌」に掲載された論文のコピーに対する要求が1990 年代にはきわめて支配的であるという点が特徴的であること,2)皮肉にも,特に看護学分野の雑誌に顕著に見られるように「国内雑誌」に掲載された論文に対する要求の増加が,2002 年に始まったコンソーシアム体制下のサイトライセンスによってオンラインで利用可能になった「外国雑誌」掲載論文に対する要求の減少を埋め合わせるかのように顕著になったこと,3)図書に対する現物貸借の要求は,それが要求全体に占める割合は小さいとはいえ,NACSIS-CAT という総合目録データベースの成長に従って増加してきたこと,4) 充足率は現物課貸出,複写提供のいずれにおいても安定的に高く,ターンアラウンドタイムの平均も概ね1週間以内であり,システムはきわめて効率的であるということ,5) システム本来の目的は相互に受益者となるような協力システムの構築にあったが,実際には主に要求するだけの図書館と供給するだけの図書館が存在しており,これは部分的には1970 年代に指定された「分野別外国雑誌センター」館に起因するものであること,6) いくつかの中小規模の図書館が近年供給を始めておりこれが顕著な動きを示していることである。
- 国立情報学研究所の論文
著者
-
竹内 比呂也
千葉大学文学部
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逸村 裕
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科
-
土屋 俊
千葉大 文
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土屋 俊
Faculty of Letters, Chiba University, National Institute of Informatics
-
竹内 比呂也
Faculty of Letters, Chiba University
-
佐藤 義則
Faculty of Humanities and Social Sciences, Mie University
-
逸村 裕
Graduate School of Library, Information and Media Studies, University of Tsukuba
-
逸村 裕
愛知淑徳大学文学部図書館情報学科
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逸村 裕
名古屋大学附属図書館研究開発室
-
逸村 裕
愛知淑徳大学
-
佐藤 義則
Faculty Of Humanities And Social Sciences Mie University
-
土屋 俊
千葉大学大学院文学研究科:千葉大学文学部
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逸村 裕
筑波大 大学院図書館情報メディア研究科
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