関東南部の人工林跡地に成立した放置二次林における高木種組成の変化(<特集>天然林施業に貢献する生態学)
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概要
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近年,管理が放棄された針葉樹人工林が増加しており,一方で生態系保全を重視した森林管理が求められている。そこで今後の管理計画を考えるために,放置された針葉樹人工林の後に成立した二次林において,高木種の定着・成長とその要因について,高木種を常緑・非鳥散布型(I型),落葉・非鳥散布型(II型),常緑・鳥散布型(III型),落葉・鳥散布型(IV型)の四つに類型化して検討した。特に極相を構成する種に多くみられるI型の種に着目した。自然林に近接する放置人工林が風害・雪害後に成立した二次林では,攪乱前からアラカシを主体としたI型の稚樹が多く存在していた。しかし,初期の二次林では攪乱後1〜2年のうちに侵入したIV型の種が初期成長が高いため優占した。その後もIV型の種は胸高断面積合計が増加し放置二次林の優占種となった。一方I型の種も胸高断面積合計は増加傾向にあり,将来的にはIV型に代わり優占することが予想された。
- 2003-08-16
著者
-
島田 和則
独立行政法人森林総合研究所
-
勝木 俊雄
独立行政法人森林総合研究所
-
勝木 俊雄
森林総合研究所
-
島田 和則
森林総合研究所
-
島田 和則
農林水産省森林総合研究所
-
西山 嘉彦
森林総合研究所木曽試験地
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