有孔虫化石にみる過去20万年間の東地中海サプロペル堆積期における海洋環境
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Pleistocene-Holocene assemblages of benthic and planktonic foraminifera from Hole 969F (Mediterranean Ridge) and Hole 967D (Eratosthenes Seamount) of ODP Leg 160 were examined to reconstruct the paleoenvironmental changes during deposition of sapropels (S1, S3〜S7) over the last 200 kyr in the Eastern Mediterranean. On the benthic assemblages, three major species are dominant throughout the two cores, except for the sapropel horizons where benthic foraminifera are nearly absent, suggesting an anoxic bottom environment. A Q-mode factor analysis of planktonic foraminifera has extracted four varimax assemblages. The factors 1 and 3 correspond to warm and cool waters, respectively. Both the factors 2 and 4 show low-saline coastal waters. The factor 2 indicates enhanced fertility in surface water, and the factor 4 indicates warmer and low salinity water than other factors. Factor loading of factor 4 increases in sapropel layers from S3 to S7, while the factors 1 and 2 display relatively long-term periodicities and are not related to times of sapropel formation. During the sapropels deposition from S3 to S5 and S7 in the interglacial intervals, the Eastern Mediterranean was stratified due to a cover of fresh and warm surface water inferred by the factor 4 and its ventilation in deeper water was reduced. The sapropel S6 formed in glacial period, and stratification in the surface water is relatively weak. However, the enhanced productivity may supply abundant organic matters to the sea floor. In the sapropel S1, spatial variability of paleoceanographic environment, which is recognized in this work, may be useful to understand the causes of sapropel formation.
- 日本古生物学会の論文
- 2007-03-30
著者
-
大場 忠道
北海道大学
-
飯島 耕一
海洋研究開発機構極限環境生物圏領域
-
長谷川 四郎
熊本大学大学院自然科学研究科
-
長谷川 四郎
熊本大・院・自然科学
-
宇佐見 和子
熊本大学大学院自然科学研究科
-
坂本 竜彦
独立行政法人海洋研究開発機構
-
飯島 耕一
独立行政法人海洋研究開発機構
-
坂本 竜彦
海洋研究開発機構極限環境生物圏領域
関連論文
- 地球深部探査船「ちきゅう」の下北半島沖慣熟航海コア試料 : 物性変動から予測される古環境変動
- 地球深部探査船「ちきゅう」の下北半島沖慣熟航海コア試料の年代モデル
- 北太平洋亜熱帯循環の氷期・間氷期変動 : 熱帯大気海洋相互作用および東アジア夏季モンスーンとの関連
- O-106 下北東方沖IODP CK06-06 C902-9001Cにおける底生有孔虫群集の層位分布(概報)(11.海洋地質,口頭発表,一般講演)
- 特集号「メタンハイドレート(Part II):探査と資源ポテンシャル」 : ―はじめに―
- 特集号「メタンハイドレート(Part I):産状,起源と環境インパクト」 : ―はじめに―
- P-204 静岡県御前崎の完新統から産出した貝形虫化石群集と古環境(30.第四紀地質,ポスター発表,一般講演)
- S-2 地層と地形から読み解く海溝型地震の履歴 : 御前崎の完新世段丘と沖積層を例に((1)地震・津波堆積物研究の最先端と防災への貢献,口頭発表,シンポジウム)
- 1703年元禄・1923年大正関東地震に伴う房総半島南西岸の館山浜堤平野システムの発達過程
- 鹿島沖海底コアMD01-2421の後期更新世テフラ層序
- 沖縄トラフ及び琉球前弧海域における有機炭素沈積量と底生有孔虫の応答
- 相模湾の沈み込み帯の冷湧水域に伴う炭酸塩類と化学合成独立栄養動物群集の環境
- 212. インド洋ジャワ島南方沖後期更新海底堆積物に記録された気候変動
- P-25 熊野海盆海底泥火山堆積物の粘土鉱物組成(8.「ちきゅう」による南海トラフ地震発生帯掘削計画ステージ1Aの成果,ポスター発表,一般講演)
- O-107 底生有孔虫群集からみた最終氷期以降における日本海南部の上部漸深海帯の環境変化(11.海洋地質,口頭発表,一般講演)
- O-168 宗谷海峡南東域における現生Cibicides lobatulus(Walker and Jacob)の生息域 : より正確な底生有孔虫の生息域の推定法(21. 新生代古生物)
- O-61 北海道歌登町東部地域に分布する志美宇丹層から産出した有孔虫群集の特性
- 22 西南北海道の黒松内層模式地に認められた"暗色層"とその層位学的意義
- 日本近海の長尺ピストンコアに見いだされたスープ状擾乱層
- サハリン第三系の珪質堆積岩と古第三紀/新第三紀境界期の古海洋環境
- 435 サハリン第三系産出の砕屑性クロムスピネル
- 熊本県天草下島の西部に露出する上部白亜系姫浦層群の地質
- S-8 遡上型津波堆積物の供給源の推定 : 有孔虫殻の運搬にもとづいた流体力学的検証((1)地震・津波堆積物研究の最先端と防災への貢献,口頭発表,シンポジウム)
- 有孔虫殻にもとづく遡上型津波堆積物の供給源の推定とその流体力学的検証
- O-70 有孔虫群集からみた日本海暗色層堆積時の海洋環境 : 日本海南東部MD01-2407コアの結果から(海洋地質,口頭発表,一般講演)
- 有孔虫化石にみる過去20万年間の東地中海サプロペル堆積期における海洋環境
- O-56 後期更新世 : 完新世の温暖期における日本海の底生有孔虫群集の特徴(6.海洋地質,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 有孔虫殻の淘汰作用からみた津波堆積物の形成過程--房総半島南部館山周辺に分布する完新統津波堆積物を例に (地震イベント堆積物--深海底から陸上までのコネクション)
- 津波堆積物中の有孔虫組成の概要について--房総半島南部館山周辺に分布する完新統津波堆積物を例にして (地震イベント堆積物--深海底から陸上までのコネクション)
- P-11 完新世のオホーツク海南西部深層域における貧酸素化について : MD01-2412 コアの底生有孔虫群集に基づいて
- O-57 房総半島南部巴川に分布する完新世津波堆積物中の有孔虫群集組成とその層位変化
- 珪藻から堆積物中の生物源オパールの残存率を見積もる新しい手法 (古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線)
- 古環境変動に対する底生生物の反応 (古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線)
- 南フランス白亜紀黒色頁岩に記録された多様な還元環境レベル (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(下)比較研究の必要性)
- 房総半島南端の千倉層群白間津層産シロウリガイ類2種
- 日本海秋田沖の2本の海底コアの酸素・炭素・窒素同位体比に基づく古環境解析
- 262 沖縄トラフのコア(PN-3)の解析に基づく最終水期以降の海洋環境変動(海洋地質)
- 中国貴州省最下部トリアス系スロンボライトの斑状組織が示す形成過程 : 微化石と主要元素の分布(10.炭酸塩岩の起源と地球環境)
- 珪藻分析に基づく南西オホーツク海の完新世古海洋環境復元
- オホーツク海南西部における完新世の古環境 : 珪藻化石分析から
- MR97-04次航海で得られた海底コアの概要
- 〔海洋地球研究船〕「みらい」MR97-04次航海で採取された海底コア中の有孔虫殻の酸素同位体比
- 海洋地球研究船「みらい」におけるピストンコアラ-による採泥方法
- 日本海隠岐堆コアの加速器質量分析(AMS)法による^C年代
- O-273 長野市信更町に分布する高野層に記録されたMIS 5e (Eemian)の湖底環境(30.第四紀地質,口頭発表,一般講演)
- 西南北海道瀬棚層の広域的岩相層序区分と生層序年代
- O-235 トゥファを堆積させる沢水の安定同位体組成
- 冷凍マイクロトーム法による現生シャコガイ殻の酸素同位体比分析よリ推定される詳細な水温変化
- 460 プエルトリコ産サンゴ骨格を用いた環境解析
- 266 石垣島産の現生シャコガイ殻の酸素・炭素同位体比と気象データとの比較(海洋地質)
- 第四紀の始まりの世界的な気候寒冷化とは何か? : 酸素同位体比変動から
- 215. 西赤道太平洋における氷期・間氷期の炭素同位体比変動と古海洋環境
- O-62 CK05-04-2及びCK06-06航海で採取された下北沖テフラの岩石学的記載(地域間層序対比と年代層序スケール,口頭発表,一般講演)
- O-3 北海道北部中川町周辺地域における中期中新世の古環境変遷
- 7. 最終氷期以降の日本列島周辺の海流変遷
- 第7回国際古海洋学会議報告
- 第6回国際古海洋学会議 (ICP6 : リスボン) の報告
- 東北日本周辺海域及び北西太平洋に分布するテフラ -三陸沖海底コアKH94-3, LM-8中のテフラ層序を中心に-
- 最終氷期の海水準変動に対する日本海の応答 -塩分収支モデルによる陸橋成立の可能性の検証-
- シンポジウム : 東アジアから西太平洋へ -陸・海・ヒトのテレコネクション-
- カリブ海のサンゴ記録と海洋環境復元 (特集 炭酸塩生物殻を用いた高分解能海洋環境復元)
- アラビア海西部沿岸湧昇域における生物生産性と炭酸塩溶解過程の第四紀変動
- 285 有孔虫化石にもとづく東地中海第四紀の古環境解析 : ODP Leg 160
- 282 日本海溝北部三陸海底崖の地質 (2) : メタン酸化による石灰質角礫岩の時代と意義
- O-59 浮遊性有孔虫殻の重量分布に基づく最終氷期における炭酸塩溶解の評価(6.海洋地質,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 浮遊性有孔虫群集から見た鹿島沖の過去14.4万年間の環境変動
- 252 日本海秋田沖における最終氷期以降の海洋環境の変遷(海洋地質)
- 217. 日本海秋田沖海底堆積物の酸素・炭素・窒素同位体比に基づく古環境解析
- IMAGES[International Marine Global Change Study(海洋環境変化に関する国際共同研究)]プログラム
- O-55 九州西方の海底コア中の有孔虫化石の炭素・酸素同位体比からみた過去37,000年間の古環境変遷
- 東アジアモンスーンと高緯度気候のテレコネクション : 日本海および南シナ海の海底コアの高解像度記録とグリーンランドGIPS 2 氷床コアとの比較
- 三陸沖海底コア(KH94-3, LM-8)の解析に基づく過去9万年間の海洋環境変遷
- 海底コア中の有孔虫化石の酸素・炭素同位体比を駆使した第四紀古海洋環境に関する一連の研究
- 海洋酸素同位体ステージ11以降の間氷期最温暖期の比較
- 有孔虫の殻の酸素・炭素同位体比に基づく過去15万年間の日本海と鹿島沖の環境変化
- II-7)第四紀インドモンスーンの変遷 : アラビア海西部沿岸湧昇域における炭酸塩溶解の検討(インド洋の環境変動,E.ヒマラヤ山脈とインド洋に記録された環境変動)
- O-58 東地中海の後期第四紀堆積物に記録された気候変動(6.海洋地質,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 241. 相模湾, 初島沖で採集された自生の炭酸塩類
- O-278 栃木県鳥山地域に分布する中新統荒川層群の底生有孔虫化石層序
- O-62 北日本太平洋沿岸におけるElphidium excavatum (Terquem)の形態変異とその分布
- O-4 北海道留萌付近に分布する峠下層(中新統)の堆積環境
- 290 津軽海峡中部, 北海道知内沖における浮遊性有孔虫比(P/T)とその意義
- 81 掛川層群のタービダイト中の有孔虫群集
- 76 利島(伊豆七島)の成層火山基底より発見された含有孔虫化石層について
- 24 北海道東部厚内地域における中新統オコッペ沢層の複合微化石層序
- ロシア・サハリン島における漸新統〜中部中新統有機質微化石層序(渦鞭毛藻化石・花粉化石)と年代・古環境
- 有孔虫群集による環境微古生物学的研究の現状 (総特集 生態系の改変と地質学・古生物学)
- サハリンの新第三紀有孔虫化石層序と古環境変遷
- 長野市南部, 後期更新世高野層における元素組成からみた珪藻生産量の変動とその古陸水学的意味
- 北サハリンのシュミット半島第三系の巨大・微小コンクリーション
- 北太平洋の深海底コアから推測される最終氷期の世界
- 216. 日本列島南岸域の海底コアに含まれる有孔虫殻の酸素・炭素同位体比に基づく海況変遷
- 三陸沖海底コアを用いた第四紀後期の北西太平洋縁辺域における古海況 -珪藻化石群集からのアプローチ-
- 底生有孔虫化石層序に関する古海洋学的考察 : 北海道の新第三系を例にして
- 冷凍マイクロトーム法による現生シャコガイ殻の酸素同位体比分析より推定される詳細な水温変化
- O-84 九州西方沖海底コアから得られた浮遊性有孔虫化石の酸素・炭素同位体比および群集解析による過去4.3万年間の古環境解析(10. 海洋地質,口頭発表,一般発表)
- ボーリングコアのX線CTスキャン解析による東北地方太平洋沖地震における地盤液状化層の同定 : 浦安市舞浜3丁目コア試料の例 (特集 東北地方太平洋沖地震 : 統合的理解に向けて(その2))
- P-130 底生有孔虫の死後移動にともなう殻の保存状態の変化 : 宗谷海峡を例にして(17. 堆積作用・堆積過程,ポスター発表,一般講演)
- 特集号「メタンハイドレート (Part I) : 産状, 起源と環境インパクト」 : はじめに
- 最終氷期最盛期前後の日本海の表層環境