沖縄トラフ及び琉球前弧海域における有機炭素沈積量と底生有孔虫の応答

概要

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浮遊性有孔虫Globigerinoides saccculifer殻のAMS^<14>C年代測定結果及びδ^<18>OカーブからPN-3コア(沖縄トラフ)の最下部は約4万年,SST-4コア(琉球前弧海域)の最下部は約3万年まで達していると判断される。PN-3及びSST-4コアの有機炭素沈積量の測定結果から,沖縄トラフ及び琉球前弧海域において最終氷期には後氷期に比べ生物生産が高かったと考えられる。海底表面に生息している底生有孔虫Cibicidoides wuellerstorfi(epifauna)と堆積物の表層付近に生息しているUvigerina peregrina(infauna)の産出量及び両者の殻から測定されたδ^<13>C値の差は有機炭素沈積量と相関しており,このことは,海洋表層の生物生産量と直接反映していると考えられる。以上の結果から,C.wuellerstorfiとU.peregrinaのδ^<13>C値の差は,海洋表層における生物生産の変動を示すインディケーターとして用いることができると示唆された。