一般演題 27 電離放射線誘発胸腺アポトーシス過程におけるパッセンジャー蛋白Aurora-B, INCENP, Survivinの細胞内分布変化について

概要

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染色体パッセンジャー蛋白とはM期染色体分配過程において染色体セントロメア上で赤道面に整列し,姉妹染色体分配後に再び細胞質分離収縮環形成のためのM期細胞中央部分に整列する一群の蛋白を指す。その複合体構成因子としてAurora-B, Survivin, INCENP, Borealinが知られており,少なくとも, Survivinを含まない複合体(Aurora-BとINCENPから成る)とSurvivinを含む複合体が存在している。これらの染色体パッセンジャー複合体は正確な染色体分配を制御するキー調節因子として機能している。また, SurvivinはM期におけるアポトーシス抑制因子として知られている。一方,これらの蛋白は癌遺伝子Rasのシグナル経路を活性化し,増殖シグナルや細胞死抑制シグナルにかかわっていることを最近我々は見つけた。本研究では電離放射線被曝により間期死を起こす胸腺細胞のアポトーシス過程におけるこれらのパッセンジャー蛋白の役割を知るために,アポトーシス過程での細胞内パッセンジャー蛋白分布の変化を調べた。その結果, Aurora-Bがアポトーシス誘導過程で界面活性剤不溶性画分から可溶性画分へと一過性に分布変化することを見つけたので,ここに報告する。