一般演題 28 EGFP-Aurora-B発現細胞を用いたX線誘発多核形成機構の研究
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概要
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電離放射線に被曝した細胞では,染色体の異数化と倍数化(プロイディー)の大きな変化が観察され,このような変化が以降の娘細胞の遺伝子安定性に甚大な影響を与えていると考えられる。HeLa細胞を用いた詳細な増殖死の動態解析から,放射線被曝後の細胞分裂には異常分裂が多く,高頻度に分裂に失敗して細胞質不分離による4倍体細胞の出現が知られている。また,その生体機構は細胞融合によるのではなく,染色体架橋などの姉妹染色体不分配に起因すると考えられている。一方,分裂極を形成する紡錘体中心(centorosome セントロゾーム,中心体とも呼ばれる)の数的増加が放射線照射後細胞に観察されることから,セントロゾームとその数的な維持機構に関連する分子に放射線の標的があると考える説も長年,論議されてきた。
- 長崎大学の論文
著者
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河合 秀彦
京都大学放射線生物研究センター放射線システム生物学
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神田 暁史
広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム障害制御研究部門ゲノム応答研究分野
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数藤 志帆
広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム障害制御研究部門ゲノム応答研究分野
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河合 秀彦
名古屋大学環境医学研究所ゲノム動態制御分野
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