岩手県沿岸に出現するAlexandrium属とその毒生産能
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概要
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岩手県沿岸の8湾において1998年〜2002年の間Alexandrium属の出現種を同定するとともに,その培養株を用いて毒生産能を調べた。本海域ではこれまでも数種のAlexandriumの存在が確認されているが,本研究では新たにA. insuetum, A. ostenfeldii, A. pseudogonyaulax, A. tamutum, A. minutumの出現を認めることができた。新たに見いだされた種の毒生産能を調べたところ,A. ostenfeldiiにのみ7.5fmol/cell程度のGTX4を主体とする毒成分の生産を認めた。しかし,本種の出現頻度および出現密度は低く,現状では本種が毒化の主原因となる可能性は低いと考えられた。一方,本研究の結果は既知有毒種の出現時期に形態上識別困難な無毒種が混在して計数される危険性を示し,毒化予測手法改善の必要性を示唆した。
- 公益社団法人日本水産学会の論文
- 2006-11-15
著者
-
緒方 武比古
北里大学水産学部水産生物化学研究室
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緒方 武比古
School Of Fisheries Sciences Kitasato University
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吉田 誠
熊本県立大学環境共生学部
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加賀 新之助
岩手県水産技術センター
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関口 勝司
岩手県水産技術センター
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緒方 武比古
北里大・水産
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緒方 武比古
北里大学水産学部
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