バスケットボールのセットショットにおける上肢の運動 : 初速度への影響

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バスケットボールのセットショットの成否に影響する2大要素は、遠投能力とコントロールである。遠投能力を向上させる要素は、伸展筋力の向上(肘伸展の速度)と肘伸展時におけるボールリリースのスナップのタイミング及び脚伸展の速度とタイミングであると考えられる。本研究は、セットショットにおける上肢の運動において遠投能力を高めるには速度(伸展筋力)の向上以外に、手関節・肘関節連動のタイミングが考えられることに着目し、遠投能力に多大な影響を及ぼすと考えられる上肢の関節運動について、女子学生プレイヤーを対象として実験した。脚伸展力がボールの飛距離に作用しないように被験者は椅子に座った状態でセットショット動作を試行し、ハイスピードカメラで毎秒120フレーム、シャッター速度1/500秒で撮影した。各被験者の撮影されたショット動作は、ビデオ動作解析システムを用いて、ボールリリース時における上腕水平・肘関節・手関節の角度、肘関節・手関節の角速度、ショット全体における指先点・橈骨点・ボールの速度、及び肘関節・手関節における最大角速度の出現時期について分析した。分析結果を検討したところ、ボールの初速度を高めるには以下の3点が明らかとなった。1)肘関節と手関節における最大角速度は、ボールリリースを挟んで肘関節、手関節の顕著な順次性で出現する。2)肘関節は伸展動作とともに上方への変位が必要である。3)ボール及び指先点をリリースポイントまで直線的に移動させる。

バスケットボールのセットショットにおける上肢の運動 : 初速度への影響

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