バスケットボールのレイアップショット動作とショットの成否に関する研究 : 熟練者と未熟練者の比較から(自然科学編)
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概要
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バスケットボールにおいて熟練者と未熟練者の間にはショット動作やショット成功率に差があると報告されている。レイアップショットのようなゴール近くでボールをリリースするショットでは、その成功率に影響する要因が動作の正確性によるものだけではないと考えられる。本研究は、熟練者と未熟練者のレイアップショットにおけるボールの軌跡に注目し、ボールリリースポイント、ボール投射角度、ボールの初速度とショット成功率の関係を比較し、ショット動作とその成否に関わる要因について検討することとした。被験者は、体育専攻女子学生でバスケットボールを専門とする競技歴9年以上の熟練者2名と未熟練者2名の計4名である。レイアップショットについて熟練者群と未熟練者群を対象に比較検討したところ、以下の技術的な要素と未熟練者に対する指導のポイントが示唆された。動作の正確性を必要とする技術的な要素として未熟練者のショットでは、ショットのリリースポイントにばらつきがある。また、ボールリリース時の初速度が、未熟練者群の初速度が有意に速くボディコントロールを含むボールコントロールの習熟度合いが低く、それぞれ成功率を低くする要因になっている。ボール投射角度は、ランニングジャンプしながらゴール近くでボールをリリースするショットであるため、熟練者群と未熟練者群に有意な差がみられなかった。これはレイアップショットの特徴のひとつであると考えられ、指導のポイントとしてランニングジャンプの踏み切り位置を示唆することによって、ショットを成功させる確率が向上すると考えられる。
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