麹菌の変異に関する研究 : 紫外線照射による変異株の分離及びその特性について

概要

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Asp.Kawachii KITAHARAに紫外線を照射して, 139株の変異株を分離し, 主として代表株33株について形態及び2,3の生理作用を観察して次の結果を得た.1.紫外線照射によるconidiaの生存率及び変異率を測定した.2.変異株は麦芽汁寒天培地上の肉眼的観察によつて, 次の9のtypeに分類し得た.[table]3.顕微鏡的観察によつて変異株の中には頂嚢の大さ・形状, 分生芽胞柄の長さ, 梗子の大さ・形状, 胞子の大さ等に或程度の変化が認められるもののあることを知つた.4.特定な無機窒素同化能力に欠けているものが相当数存在することを知り, これらはNitrate non-assimilative, Nitrite non-assimilative, Nitrate and nitrite non-assimilative及びNO_3^-態・NO_2^-態・NH_4^+態何れの窒素をも同化し得ないInorganic nitrogen non-assimilativeの4 groupsに分類されうることを知つた.[table]5.Amylase力には極端に大きな変動は認められなかつたが, かなり増大したものもあり, 減少したものも認められた.6.有機酸の生産はその速度の早められるもの, 遅くなるものの両者が認められた.有機酸の組成についても, paper chromatographicに追跡して若干の変動のあることを知り得た.
鹿児島大学の論文
1954-11-30