納豆菌のGelatinaseについて(第3報) : Gelatinase両作用の変動について
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概要
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納豆菌No.8を5%大豆粕浸出液に培養した培養液のgelatinase力価を粘度低下度とアミノ酸生成量とから測定して, (1)粘度低下作用は培養の初期に著しい増加を見るが, アミノ酸生成作用は1〜2日遅れて著しい増加を見る.(2)培養基の始発pHについては粘度低下作用は7.0〜7.5附近を, アミノ酸生成作用は6.5附近を最適とするが, 酵素の生成される時期のpHは前者では6.5〜7.5後者では7.5〜8.2である.(3)粘度低下作用は37℃に培養された時最も大きな価を示すが, アミノ酸生成作用は30℃辺での培養が好適である.結果から粘度低下を主として司るgelatinase IIはアミノ酸生成作用の大きいgelatinase Iに比較して培養のより早期に, より酸性条件で, 且より高温培養で生成されることを推論した.又培養基の組成と両酵素の変動との関係を見出そうとして, (1)各種の濃度の大豆粕培養基, 及び5%大豆粕培養基に(2)NaClの添加, (3)CaCO_3の添加, (4)Na_2HPO_4の添加を試みて両作用を測定した.その結果大豆粕は濃度の大なる程.又(3)(4)は何れも添加時に力価の上昇を見たが, 増加は並行的で一作用の生成丈に特に有効な培養基の組成を見付けることは出来なかつた.又1%及びそれ以下の食塩の添加の効果は見られなかつた.
- 鹿児島大学の論文
- 1952-11-30
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