輸入豚において萎縮性鼻炎並に性慾欠乏を発した一例
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概要
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米国からの輸入牡豚バークシヤー種で, 慢性の鼻腔疾患と性慾欠乏とを発した一例を検査して下の結論を碍た。1.鼻腔疾患は欧米において知られている所謂萎縮性鼻炎と決定せられた。豚は輸入前米国において発病したものである。この為豚は慢性の化膿性粘液性出血鼻漏を排し, 病理解剖学的に鼻粘膜の慢性カタール及び甲介骨の萎縮消失を認めた。細菌学的に鼻漏からStaphyloccus, Pasteurella, Proteus時々Bacillusを証明した。2.性慾欠乏は幼時からのもので, 睾丸は普通大であるが, 精子の発生が極めて貧弱である。病理学的検査の結果性慾欠乏の原因は主として脳下垂体前葉の病変にあることが判明した。脳下垂体前葉の病変は主細胞性腺腫発生で, 前葉の半分は腫瘍組織に変化している。3.豚の全身の発育及び栄養は可良である。4.上記両疾患は偶然の併発で相互に発生的関係は無い。
- 鹿児島大学の論文
- 1953-12-25
著者
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