Giraffeの解剖学的観察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Giraffeの1例を解剖して次の所見を得た.1.第I胃の絨毛は牛, 山羊より粗大である.第II胃粘膜面には鈎状乳頭密生し, 蜂巣をなす襞は牛よりも低く, 約1mmである.第III胃の弁状膜の数は大葉12枚, 中葉13枚, 小葉26枚である.第IV胃には縦走する16〜20枚の襞がある.2.盲腸は縦紐, 膨起は欠くが馬の盲腸に類似し, 回腸は盲腸腔内に突出する.回盲口の盲腸頭よりには豚の如く集合淋巴節板が存在する.3.結腸迷路は反芻家畜のように平盤状でなく, 豚に見られる様な円錐形を呈し, 求心的に3回回転して中心に達し, 其の後遠心的に3回回転して起始部に達し, 尚その外方を1回半回転して小結腸へ移行する.4.肝は円味をおび, 各葉の区別は不明瞭である.胆嚢の有無については, 諸者異論があるが, 本例では肝内臓面の右矢状窩に9×4cmの大いさの胆嚢が認められた.5.腎は菜豆形を呈し, 表面平滑で牛のように分葉状を呈せず.腎片は皮質, 髄質, 乳頭まで癒合して総乳頭を形成し, 外形, 総乳頭の状態は羊に類似する.6.脊椎数は頸椎7,胸椎14,腰椎6,仙椎3,尾椎11からなる.第7頸椎には頸肋及び横突起孔が存在し, 肋骨の附着とは無関係である.第1肋は第1胸椎の後1/3の椎体に, 第2肋骨は第2胸椎の推頭後端より中央部に, 第3肋骨は第3胸椎の前位においてそれぞれ肋骨小頭と関節する.本研究の要旨は日本畜産学会九州支部会(1955,11)において講演した.
- 鹿児島大学の論文
- 1956-11-30
著者
関連論文
- 中型農馬の発育に関する研究 : 第II報 発育過程の分析
- 218 モルモットの肺の気管支分岐と肺動静脈 (解剖学分科会)(第74回日本獣医学会)
- 輸入豚において萎縮性鼻炎並に性慾欠乏を発した一例
- 137 乳用家畜の乳房血管系の研究 : II.乳牛の乳房血管分布について
- 九州在来馬の研究 : II 対馬の在来馬について
- 乳用家畜の乳房血管系の研究 : II.乳牛の乳房血管の分布
- 日本における豚飼養の起源(第 24 回日本人類学会日本民族学会連合大会発表抄録)
- アマミノクロウサギ(Pentalagus fvrnessi STONE)の骨について 特に日本白色種(Oryctolagus cuniculus var.domesticus GM.)との比較
- 231 家畜の乳房血管系の研究 : IV. トカラ山羊,緬羊の乳房血管分布について (第61回日本獣医学会記事)
- 33 家畜の乳房血管系の研究 : III. 家兎の乳房血管分布について (第60回日本獣医学会記事)
- 212 トカラ山羊の解剖学的観察 : (ザーネンとの比較において) (第59回日本獣医学会記事)
- 乳用家畜の乳房血管系の研究 : I.山羊の乳房血管分布
- 中型農馬の発育に関する研究 : 第1報 発育曲線について
- 奄美大島群島貝塚出土の猪と犬について
- 日本在来馬の系統
- 馬における骨長より体高の推定法
- 中世日本の馬について
- Giraffeの解剖学的観察
- トカラ馬の解剖学的観察 : 特にアラブとの比較において
- 九州産馬の体型
- 日本古代馬の研究
- 九州在来馬の研究 : III トカラ馬と東亜諸地域馬との比較
- 犬における骨長より体高の推定法
- 出水貝塚の馬について
- 日本石器時代馬について
- 先天性盲目豚の視覚器官について