中型農馬の発育に関する研究 : 第II報 発育過程の分析
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概要
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中型農馬の発育に伴う事象を統計的に処理し, 発育過程における諸般の考察を行つた.1)体高と胸囲・体長, 尻高と胸囲・体長, 胸幅と胸部幅, 尻幅と腰幅の間には発育曲線が交叉する.中型農馬の交叉時期はサラブレッド, 中間種よりも早く, 牝のそれは牡よりも早い.2)時期別の成熟率をみると, 管囲が最も早く完成し, 次に高さ, 最後に体幅が出来上ると考えられる.3)各部位の発育量は6ヶ月においては完成時の50%以上, 12ヶ月では80%前後, 24ヶ月では90〜95%前後を示す.牝の発育量は初期において牡より大であるが, 末期には牡が大となる.4)体高(H)と他の部位(L)の発育関係はL=aH+bで表わすことが出来る.実測値の大なる部位の恒数aは小なる部位の恒数より大であり, 牝の体長, 腰幅の恒数は牡よりも大, 牡の胸囲胸幅, 管囲の恒数は牝よりも大なることは牝・牡体型の差異を体高との関連において自然に示す.5)6ヶ月以降においては, 各部位の測定値の間には完成時と極めて有意な相関がある.よつて6ヶ月以降は徐々に発育曲線のように発育する.従つて6ヶ月までの育成が最も大切であり, 6ヶ月で完成時の体型もほぼ推測し得る.6)農家生産馬と国立牧場生産馬の発育を比較すると, 体高の差はないのにかかわらず胸囲, 管囲は生後8ヶ月前後に農家生産馬が大となる.これはせり市に出すために5,6ヶ月頃から特に管理に注意し体量の増大をはかる結果である.
- 1960-10-25
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