高知県高齢者及びブラジル日系高齢者における人生の評価・見通しと健康

概要

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本研究の目的は,高齢者における人生の評価・見通しと健康の関係を明らかにするために,異なる環境で生活する遺伝的に類似していると思われるブラジル日系高齢者と高知県高齢者を対象にアンケートを行い分析・比較した。その結果,環境の違いが人々の健康に少なからぬ影響を与えることが分かった。一方で,高齢者にとって,健康は大きな願いであることが明らかになった。そして,その健康を決定し,人生をよりよく評価し,より明るく前向きに生きるための因子として配偶者・子ども・孫などの家族との関係が大きいということが分かった。また,経済面での不安が人生観と深く関係していること,将来の介護者の有無と人生観との関係が強いことから,将来の経済状況や介護者の存在は,加齢に伴う体力の低下や,健康障害に対する保障となることを示唆するものであると言える。さらに,高齢者が安心して利用できる在宅あるいは施設サービスの充実や,趣味活動・社会活動への参加の機会の充実が高齢者の心身の健康を増進し,健康寿命を延伸させるために重要であると言える。
県立広島大学の論文