染色体異常分配挙動を示すYACクローンの特性解析(保健福祉学部栄養学科)

概要

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我々が先に構築したヒト21番染色体特異的なゲノムライブラリーの中から、ユニークなクローンが新たに発見された。このYAC(酵母人工染色体)クローンは前報とは違った異常な染色体挙動を示した。このクローンはCHEFによる核型分析では人工染色体と思われる特別なバンドは示さなかったが、ヒト特有の短鎖反復配列であるAluが二つのバンド(200kbと125kb)にハイブリダイズした。一般にはひとつの酵母細胞に複数の人工染色体が存在することは無いので、クローンのコンタミネーションが疑われた。そこで前報と同じようにオリジナルクローンから単一コロニーを6世代に渡って分離し、その各世代でCHEF解析を実施した。その結果、オリジナルクローンから、それ自身も含めると7種のカリオタイプが派生することが分かった。このオリジナルクローンでは、染色体分配を正常に制御する因子が機能しないために異常分配を引き起こしているものと考えられる。これらのカリオタイプを用いて染色体分配に関わる新たな因子の同定が期待される。本稿では、この新たに分離されたクローンの異常な染色体分配挙動の解析結果を報告する。
2006-02-28