生活習慣修正指導が日常生活活動量に及ぼす影響

概要

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生活習慣修正指導の心血管疾患などの危険因子の是正効果はよく報告されている。この効果を維持するには継続することが大切であるが、介入期間中の「動機付け(motivation)」を強化することは、その後の継続に重要であると考えられる。今回、生活習慣修正指導に参加した人たちの運動習慣の変化を解析することによって、生活習慣の修正への「motivation」を強化させる因子に関して検討を行った。【対象及び方法】対象は平成13年7月から9月にかけて行った3ヶ月の運動・栄養指導からなるK市の健康増進事業に参加した女性37名の内ライフコーダー(加速度を感知し運動消費カロリー(Ex-cal)を推定する機器;以下LC)を装着した24名(56.0歳)とした。運動指導は最大酸素摂取量を推定しその50%強度の運動を指導した。栄養指導は、管理栄養士による2回の個別指導を行った。測定項目は、血圧、体重、体脂肪率、空腹時血糖、脂質検査の他、LCを介入開始直後と終了前のそれぞれ2週間装着し、1日当たりのEx-calを計算した。解析にあたって、motivationの変化をEx-calの変化としてとらえ、motivationが高いと考えられる介入開始直後でのEx-calに比べ、介入終了直前でのEx-calに変化がないか或いは増加した場合motivationが強化、減少した場合motivationが低下したととらえ、以上の2群に分けた場合の諸検査における介入効果の比較及び、Ex-cal増加量と諸検査との関係について解析を行った。【結果】1.motivation強化群・低下群共に体重、体脂肪率、総コレステロールにおいて改善を認め、motivation低下群においてはHDLコレステロールの低下を認めた。2.介入前に血圧高値、・HDLコレステロール低値なものほど、Ex-calの増加を認めた。3.Ex-calが増加するほど、収縮期血圧が改善する傾向にあった。【考察】motivationを維持し強化させていくためには、血圧の改善や血液検査上の異常の改善などの具体的な目標の設定が重要であり、諸検査にて異常がない場合は、参加当初のmotivationを維持していくことが困難であると言える。そのため、諸検査にて異常がない場合の目標の設定や、新たな健康指標の開発が望まれる。
産業医科大学学会の論文
2002-03-01

生活習慣修正指導が日常生活活動量に及ぼす影響

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