学士課程自由選択科目における災害地域看護教育方法の検討

概要

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学士4年次生を対象とした自由選択科目「災害と地域看護活動」を新規に開講した.そこで,受講学生9名がレポートおよび授業評価アンケートに記述した内容を分析し,学生の学びの内容と,授業選択の動機および授業ヘの意見・感想から,授業実施方法の評価を行い,今後の改善点を検討した.結果として,学びの内容は32項目に整理された.地域住民のヘルスニーズに関する学びの内容は5項目であり,多くの学生が,災害が住民に与える影響を多面的に捉えていた.看護職の役割に関する学びの内容は13項目であり,学生全員が保健師の役割を基本として看護職の役割を述べていたが,さらに,病棟看護師での就職を志望している学生は,病棟看護師の役割を記述していた.看護職の活動内容に関する学びの内容は14項目であり,具体的かつ詳細に記述していた.学びの内容と事業実施方法の関連から,講義を聴くだけではなく,フィールドワークや災害図上訓練を取り入れ,体験型の授業科目として設定したことが災害看護活動のイメージ化に有効だと評価した.また,学生は,就職してからの実践に結びつくような学習内容の整理・まとめを主体的に目指していたと思われ,このことと看護職の活動内容の記述から,実践的な学びの獲得につながっていることが確認できた.以上を踏まえ,効果的・効率的な体験型学習実施のための工夫,学生が学習目的・意義を理解した上で授業参加できるような働きかけ,看護固有の役割についての基本的・原則的な学びを基にした具体的・実践的な学びの獲得の促進,の3点について,さらなる充実を図っていきたい.
千葉大学の論文

学士課程自由選択科目における災害地域看護教育方法の検討

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