四年制大学の看護基礎教育課程における地域看護実践能力を高める教育方法の検討 : 地区活動演習の導入とその評価を通して
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概要
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本学地域看護学教育において,看護実践能力を高める教育の一環として,平成15年度から模擬事例を用いて地区活動計画を作成する「地区活動演習」を導入した.本演習の成果と改善点を,学生の記録物に基づいた担当教員間の討議と演習終了時と実習終了時の二時点におけるレポートの記述に基づいた地区活動についての学びの進展状況の分析により検討した.本演習で学生が地区診断から地区活動計画作成に至る過程を模擬的に体験したことにより,実習における地区活動の展開方法の学習に効果をあげたと考えられた.しかし,演習の学習到達目標とした「地域住民のヘルスニーズの分析」及び「現在実施している保健事業の見直し評価」の内容は不十分であった.演習において,保健事業と住民の健康・生活との関連を理解し,考えることができるようにすることが,地区診断に基づいた地区活動計画作成の方法を理解・習得する上で最も重要と考えられた.今後は,臨地実習において実際の保健事業を見直し評価するなど,より地区活動の実践を取り入れたプログラムの導入を視野に入れて検討していく必要があると考える.
- 千葉大学の論文
著者
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山田 洋子
千葉大学看護学部
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宮崎 美砂子
千葉大学看護学部
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石川 麻衣
千葉大学看護学部
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武藤 紀子
千葉大学看護学部
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牛尾 裕子
兵庫県立大学
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牛尾 裕子
千葉大学看護学部
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宮崎 美砂子
千葉大学看護学部地域看護学教育研究分野
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