介護予防の視点に立った効果的関わりに関する事例研究
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概要
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平成18年4月介護保険法改正を受け、介護予防が重点化され保健師への期待は高くなっている。介護予防アセスメントツールは研究されてきているが試行段階であり、効果の評価は手探り段階にある。本研究では、A市B高齢者支援センターが支援を行っている要介護1までの事例で、支援期間中介護度が悪化せず維持しているプロセスを分析することから、介護予防に効果的な関わりを検討することを目的とした。結果は、支長期間における対象者の変化は(1)身体的には、介護予防の必要性の自覚、血圧等の自己管理などができるようになった、(2)精神的には楽しみ活動、趣味・日課となる活動を獲得していた、(3)社会的には閉じこもりの解消、外出の機会の増加、交流の拡大、身内以外の傾れる存在を獲得していたなどの変化があった。以下にこれらの変化を生じさせたと考える介護予防支援上の関わりを挙げる。1.対象者の最優先ニーズを満たすことを通して関係性の構築を図り、安心感の提供を行っていた 2.対象者ができることを一緒に考える姿勢で看護予防知識の提供、技術獲得支援を行うことを通して身体面の予防を図っていた 3.外出の機会となる場の提供や、仲間づくり・交流のきっかけづくり、家族や地域住民との架け橋になることを通して社会面の予防を図っていた 4.楽しみ・生きがい・趣味・日課となる活動の獲得支援によって精神面の予防を支援していた 5.普段の情報ネットワークから本人に適した情報を提供し、対象者に出来ることを一緒に考え保障した上で、対象者の変化に合わせ支援内容の変更を行っていた これら予防支援を複合的に組み合わせ、対象者と対象者を取り巻く人々に対し行うことが効果的な関わりであると考えられた。
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