自然災害発生時における市町村保健師の活動の特徴 : 噴火災害の一事例分析から
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概要
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噴火災害への対応における市町村保健師の活動の特徴を明らかにし,市町村保健師の果たした役割を分析することを目的に,噴火災害を経験したA町の一活動事例を対象とし,町の管理的立場にいる保健師1名に対する半構成的面接調査を行った.結果として,災害の推移経過時期毎の保健師の行動と判断及び意図を分類整理した.避難期:【ハイリスク者の避難・入院・施設入所支援】【避難所での環境整備活動】【保健師活動の応援要請】,避難所生活期:【避難所における保健活動】【情報の収集と発信】【役場職員としての住民の要望や苦情への対応】,復興期:【通常保健福祉サービスの再開】【災害の影響の把握に基づく保健活動の再編】【避難所閉鎖までの避難所保健活動の継続】,平常期:【災害活動から通常保健活動への視点転換】【災害保健活動の評価】であった.町保健師の活動の特徴として,1)災害発生時から平常への移行まで一貫して行う,災害に最も弱い住民の避難支援・生活支援,2)市町村職員として求められる住民の多様な要望への第一線での対応から,保健師の専門性を活かした調整および環境・社会条件整備への活動の移行,3)災害の影響を考慮した保健福祉サービスの再開・再編と通常活動への引継ぎの3点が挙げられた.噴火災害の町保健師の活動においても,健康危機管理の拠点としての保健所における保健師の活動と同様に,平常の活動でも求められる役割である住民への直接対応,関係機関との調整,環境・社会条件整備の役割が災害の推移に応じて発揮されていた.特に町保健師が関わるべき対象として特徴的なものとして,日頃の保健師活動で関わる機会の少
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