公衆衛生看護教育を担当する大学教員が「地区診断」の教育において重視していた教授内容
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概要
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目的:大学における公衆衛生看護教育のあり方を検討する自主勉強会に参加した教員が「地区診断」の教育において重視していた教授内容と,その背景にある「地区診断」の教育の考え方を明らかにした.「地区診断」とは,特定集団・地域住民全体を含む地域生活集団(Community)に焦点を当てた看護実践を導く,看護固有の判断とする.方法:自主勉強会において地区診断の教育方法を検討するグループワークを2010年3〜8月に3回実施し,3回目のワーク記録を分析データとし,教育方法の工夫とその工夫による教授内容を分析した.参加教員は10大学31人,うち全回参加19人であった.3回目参加27人中講師以上20人,地域看護学教育経験平均10.1年である.結果:重視した教授内容は,「地区診断の目的」「対応すべき課題のとらえ方」「公衆衛生看護の理念・価値・信念」「保健師が行う地区診断の特質」「地区診断に必要となる知識・技術」であった.考察:重視した教授内容の背景となる「地区診断」の教育の考え方は,「地区診断」は実際の活動展開を導くためのものであることを伝える,意味のある学習経験をデザインする,現実の複雑な状況のなかで学生が考える過程を重視する,看護固有の地区診断を追究する,であった.地区診断の知識・技術を単に伝達するのではなく,現実の公衆衛生看護実践で使えるものとなるよう,学習者にとって意味のある学習経験を創り出すことが重視されていた.
- 2014-03-31
著者
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