横波型弾性表面波を用いた高温用メタノールセンサ

概要

論文の詳細を見る
横波型弾性表面波(SH-SAW)デバイスを用いると液相系センサが実現できる.本研究では,ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)用メタノールセンサにSH-SAWを応用するために行っている研究成果について報告する.DMFCの動作温度は50度以上である.そこで,圧電結晶および液体の温度特性を考慮した数値解析を行った.その結果,電気機械結合係数は温度上昇により増加することが分かった.このことは,高温になるほどSH-SAWセンサの感度が増加することを意味している.次に,作成したSH-SAWセンサを用いてメタノール水溶液の測定を行った.その結果,温度が高くなるほどセンサ感度が増加することを実験でも確認することができた.また,センサ応答とメタノール濃度間には線形関係が成立し,60度で0.10wt.%の分解能でメタノールを測定できることが分かった.さらに,実際のDMFCでは,メタノールが酸化されることにより蟻酸が発生する.そこで,メタノール・蟻酸混合溶液についても検討を行った.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-05-17