温度に着目したSAWストリーミング現象の検討

概要

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SAWストリーミングにより、液体中に縦波が放射される。縦波が減衰することにより、液滴は暖められる。寒天を用いて、ゾルーゲル変化により液体内に温度分布が生じることを確認した。次に80wt%グリセリン水溶液液滴の測定を行った。しかし、自由境界であるため安定した測定が困難である。液体の温度上昇を測定すると縦波の減衰を知ることができる。一般的に粘性が高い程、縦波は減衰する。異なる粘性(0, 60, 80, 100wt%のグリセリン水溶液)による縦波の減衰の仕方を調べるために、温度上昇と液体内の流動の可視化をU字型のシリコンゴムを用いた実験系により実現した。粘性が高い程、液体に温度勾配が生じた。IDTに近いほど温度上昇は大きくなり、離れるほど小さくなった。また、粘性が高いほど液体内の流速もIDTから離れるにつれて減少していった。温度勾配は流動があれば直線となり、流動がない部分では曲線となって表れる。液滴の加熱には、流動により熱源が移動していく場合と、熱のみが伝導していく2種類があることが確認できた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-11-07