メタノール資化性酵母Candida sp. N-16におけるアルコール脱水素酵素の誘導

概要

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メタノール資化性酵母Candida sp. N-16のエタノール培地上での生育,アルコール脱水素酵素を中心としたエタノールの酸化系におよぼす培養基質の影響について調べた.本菌のエタノール培地上での生育は良好で,最大比増殖速度(1.77hr^<-1>)はメタノール培地上での生育の約1.7倍に達した.また,エタノール生育菌体のアルコールの酸化能も,メタノール生育菌体のそれと比較すると高いことがわかった.しかしながら,無細胞抽出液中のNAD依存アルコール脱水素酵素の総活性は,他の炭素源に生育したまものと比較してもほぼ同レベルで,特別にエタノールによって誘導される酵素の存在を確認することはできなかった.一方,メタノールに生育した細胞には2つのタイプのアルコール脱水素酵素の存在が見出された.その1つは構成的,他のものは誘導的であった.しかし,メタノールによって誘導される酵素はメタノールに対してほとんど活性を示さなかった.以上の酵素のほかにも,sec-ブタノールに特性の高い酵素が見出された.この酵素は構成的であった.
千葉大学の論文
1986-03-30